2017年9月18日 (月)

マングローブが咲いた

Dsc_05511我が家で栽培しているのは

メヒルギである。

マングローブは木でありながら

年輪がない。

しかし、樹齢は25年ほどになる。

というのは

種子から自分で育てたからである。

メヒルギの種子は

胎生種子と言って

樹上で熟し

スポッと抜け落ちて

海水の流れによって

分布を広げる。

海の中に生える木なのである。

マングローブという呼び名は、海の中に生える樹木の総称名で

日本にはオヒルギ、メヒルギ、ヤエヤマヒルギなどがある。

熱帯や亜熱帯が分布の本拠地で、メヒルギは最も北にまで分布を広げたマングローブの

ひとつである。

とはいえ、日本での分布の北限地は鹿児島県の喜入町である。

植栽では静岡県の伊豆半島で育った記録がある。

Dsc_05571日本では主に沖縄県で

なかでも西表島などの

南西諸島でよく目にする

少し変わった樹木である。

我が家の種子も

西表島産である。

最初の頃は律義に

汽水を汲んできては入れていた。

だが、ある程度木が育ってくると

毎日汽水を汲んできて入れるのは

面倒になって来た。

大きなバケツで汽水を海辺から運んで

マンションの屋上にある

わが庭園まで運ぶのが億劫になって来たのである。

でも、10年間くらいは汽水を汲み上げていた。

苗がまだ小さい時は、容器も小さかったので、冬になると家の中に持ち込むのも

さして大変なことではなかった。

だが、メヒルギは木である。成長は遅いものの、それでも大きく育っていった。

数年前からは直径が45センチほどの大きな鉢に植え替えた。

こうなると重くて家の中には持ち込めない。仕方ないので、枯れることを覚悟で

陽当たりの良いベランダに置くことにした。

何年か花が咲かなくなっていたので、植え替えた時に少し肥料も入れた。

そしたら今年、久しぶりにつぼみがたくさん着いた。

小さなつぼみは2ヶ月ほどかけて、やっと咲いてくれたのである。

昨夜の台風18号の暴風雨にも負けず、つぼみはだいぶ吹き飛んだけれど

それでも今朝の台風一過の青空の中、花はわずかだが咲いている。

鉢植えなので、木の高さは2メートルほどに制限し、成長点はカットしている。

花は咲くが、たった1本なので受粉ができず、ブーメランのような胎生種子は

当然のことながらできない。







撮影は2017年9月18日 我が家のベランダで。

2017年9月16日 (土)

ムジナノカミソリ  Lycoris sanguinea var. koreana

Dsc_05481ムジナノカミソリについて

もう7年ほどをかけて

その実態を追い続けているのだが

まったく行き詰った状態である。

そんな中で

今年もまたムジナノカミソリの自生と

思われている写真の株が

昨日から咲きはじめた。

この球根は長崎県在住の友人に頼んで

自生地から掘って送ってもらったものである。

DNAを調べるためと

栽培して、他のものとの比較のためである。

2013年の事である。

ことの成り行きはさらにさかのぼって、2011年に長崎県の植物園から、

ムジナノカミソリと言われている球根を、調査のために送ってもらったことにはじまる。

最新の環境省のレッドデータブックでは、ムジナノカミソリは野生絶滅。唯一長崎県に

〇印がある。これは栽培下で生きている、という意味である。

その元となったものに興味があり、色々と調べてみようという気になったのである。

Dsc_05501その栽培されていたものが

左画像である。

台風18号が日本列島を

もろに縦断しそうな気配なので

昨日家の中に避難させて

今朝、撮影したものである。

だが、オオキツネノカミソリと

花期は大幅に違うものの

DNAによる違いは

出なかったのである。

今年の8月4日の当ブログ

オオキツネノカミソリを参照してみてください。

細かな点では、雄蕊と雌蕊の長さが

花被片より長く飛び出すものの、オオキツネノカミソリよりは、やや短いかな、

とは感じているのだが、両種の違いの決定打とはならない気がする。

いろいろな場所のものを比較すると、葉の幅や花被片の幅や長さ、色の濃淡など

違いは色々と見えてくるのだが、いずれも同定の決定打にはならず、個体の変異の幅に

収まってしまう気がするのである。

花期は1ヶ月近くも違うのが、大きな違いとは言えるのだが、肝心のDNAが同じでは

これとて変異の幅の範疇なのかも知れない。

そんなこんなで、いまだに解決できないままである。

撮影は2017年9月16日 我が家で栽培中のムジナノカミソリと呼ばれている長崎県産のもの。

2017年9月13日 (水)

ミミカキグサ

Dsc_05291プランターで作っている

我が家の湿地で

ミミカキグサが勢力を伸ばしている。

何にまぎれてきたのか不明だが

数年前にミミカキグサが突如として現れ

どんどんと陣地を広げている。

左画像はきょうの撮影だが

ミミカキグサの花期は長く

数ヶ月にわたって咲き続く。

最初発生したのは

いちばん右端にあったプランターからなのだが

今は三つ並んだプランターの

すべてから花が林立している状態。

と言っても花茎は10センチに満たないほどの

小さなもので、花はその先端に咲く。

花が終わるとオレンジ色の萼片が膨らむが、その形が耳かきに似ているので

ミミカキグサという名前が付いた。

湿地に生える食虫植物である。

Dsc_04441少し引いたこの画像だと

オレンジ色の耳かき状の

萼片も良くわかると思う。

田んぼの土だけ入れて

何年もほったらかしにしておくと

面白いほど色々なものが出てくる。

ミミカキグサの足元にある

緑色のまるい葉は

キカシグサである。

良く見ると

葉腋に小さな小さな花を咲かせている。

2ミリに満たないような

小さな花だから

虫メガネでもないと、咲いていることにさえ気がつかないかも知れない。

だが、よくよく見れば淡紅色の花弁がちゃんとある。

Dsc_05301ほら、これなら小さなピンクの花びらが

4枚あるのがわかるでしょ。

こんな風に

毎日覗くのが楽しみになるのですよ。

あまりに増えすぎる

ミソハギなどは

かなり抜き去ってコントロールしますが

他の場所からタネが飛んで

この小さに湿地で芽生えるものも

たくさんあります。

アカバナなども大きく茂るので

残すのは1本か2本

なるべく目立たないような

小さなものをもっぱら優遇しています。

池ではなく湿地なので、水は浅く、毎日水やりしないと

すぐに干上がってしまいます。

さてさて、小さなミミカキグサですが、水中にあるその葉は

花に気がつく人でも見たことがない人も多いと思います。

長さが6ミリほどの葉を、意外とビッシリとつけています。

下の画像が、ミミカキグサの葉です。

Dsc_05371


























撮影は2017年9月13日 我が家のプランターで作った湿地で。

2017年9月10日 (日)

コヒガンバナ  Lycoris radiata var.pumila

Dsc_05141画像のコヒガンバナは

今朝、2017年9月10日の撮影である。

私が種子を蒔いて育てたものである。

今年は植え替えたせいか

それとも、すべての植物の花期が

例年より遅れているせいか

いつもの年より開花が遅い。

例年なら8月から咲きだすのだが

今年は今が最盛期である。

断っておくが、これはヒガンバナではない。

9月末のお彼岸の頃になると

いっせいに咲き出すヒガンバナに良く似ているが

全くの別物である。

ヒガンバナがもう咲きだした、などとマスコミが間違えて報じるのは、

ほとんどすべてがこのコヒガンバナである。

日本ではまだコヒガンバナ自体が良く理解されていないようである。

水田の畔や土手などを真っ赤に染めて咲くヒガンバナは、秋の風物詩。

誰もがその名前を知っている代表的な秋の花である。

日本には1000以上の地方名があることからも、いかに親しまれてきたかがわかる。

だが、稔性のあるコヒガンバナが日本に導入されたのは、比較的最近の事でもあり

まだその実態をほとんどの人が知らない。

Dsc_05181日本に昔からあるヒガンバナは

三倍体で種子ができない。

正確には、ほんのわずかの稔性があり

種子ができ、ごくごくわずかだが

発芽もすることが調べられている。

ところが画像のコヒガンバナは

二倍体で種子ができるのである。

だから私は種子を蒔いて育て

毎年花が咲くようになったのである。

ヒガンバナとコヒガンバナの違いで

最も顕著なのは花期である。

コヒガンバナは8月に咲きだし

遅くとも9月の中旬頃には終わってしまう。

ヒガンバナは、その名のように彼岸の頃、

9月の下旬の頃に花盛りとなる。

花期が1ヶ月から半月ほど、コヒガンバナの方が早いのである。

だから今頃花盛りになっている画像のような花を見かけたら

それはヒガンバナではなく、コヒガンバナである可能性が極めて高い。

詳しい違いは染色体によるが、いずれ見分け方や来歴なども

述べてみようかと思っている。





早いのは8月下旬から咲きだしたが、今が花盛りのコヒガンバナ。

撮影は2017年9月10日 我が家の鉢植え。球根を植え替えたら5鉢に増えてしまった。

2017年9月 4日 (月)

ミズスギナ   Rotala hippuris

Dsc_04551_2滅多に見ることができなくなってしまった

貴重な水草である。

我が家で栽培しているものは

2001年に宮崎県で撮影した時に

花のクローズアップ用に採取した

たった1本から増えたものである。

ミズスギナとは

まさに言いえて妙な名前である。

この水草は環境汚染に極めて弱い。

とりわけ水質の汚濁には敏感で

自生地の沼やため池の水が濁ったりすると

たちまちのうちに消えてしまう。

わずかに残っていた宮崎県のため池でも

その後は消えてしまったようである。

現在、自生が確認されているのは、群馬県、三重県、福岡県の3県だけである。

かつて自生し、標本も残されている千葉県、愛知県、佐賀県、長崎県、宮崎県では

すでに絶滅してしまったらしい。

いったん絶えてしまうと、復元は極めて難しい水草のようである。

環境省のレッドデータブックでは、絶滅寸前の絶滅危惧ⅠA類(CR)にランクされている。

Dsc_04531花は白から淡紅色で

葉の付け根に咲く。

花の直径は2ミリほどの

極めて小さいもので

花弁は4つに裂ける合弁花である。

我が家のものは淡紅色

特別な手入れをしているわけではなく

水が減れば、新しい水を追加しているだけで

結構丈夫に育っている。

水中葉と気中葉では葉の形が異なるが

透明な水中では

なかなか美しい水中葉が見られるので

ミズスギナだけの鉢を作ろうか、とも考えている。

画像はすべて抽水状態の気中葉である。

我が家ではコウホネやヒツジグサ、ヒルムシロなどと一緒の

比較的大きな水鉢で育てている。






撮影は2017年9月2日 我が家の水草鉢のひとつで。



2017年9月 3日 (日)

ヒメシロアサザ  Nymphoides coreana

Dsc_04171花の直径は1センチにも満たない

小さな花を咲かせる。

花が咲くのは午前中だけ

午後には

もう花を閉じている。

花の命は午前中だけという

なんともはかない命である。

今の季節は

毎朝次から次へと

咲きつづくが

ひとつの花の命は

午前中だけで終わりである。

夜がしらじらと明けてくる頃に

水面に小さな白いつぶがぷっくりと膨らんでくる。

太陽が顔を出せば

縁にギザギザのある5弁の直径8ミリほどの花を咲かせる。

Dsc_04141花は5弁のものが正常だが

4弁のものもあれば

6弁のものもある。

朝、早くに他の植物に水やりをするが

その頃はまだぷっくりと膨らんだつぼみだが

1時間ほどの水やりが終わる頃には

たいてい花が開いている。

放棄水田や古い沼などの

水深の浅いところに生え

群生していることが多い。

農薬などで消毒されると

アッという間に絶えてしまう。

絶滅危惧Ⅱ類(VU)に指定されている

水草のひとつである。






撮影は2017年9月1日 我が家のプランターで作った小さな湿地で。

2017年9月 1日 (金)

白いハイビスカス

Dsc_03841挿し木で育てた

白花の

フウリンブッソウゲである。

挿した当初は

ひ弱な感じで

活着するか

気がかりだったが

少し肥料を与えてからは

スクスクと生長して

やっと花を咲かせるようになった。

だが、この木は

少し朝寝坊で

他のハイビスカスが

夜明けとともに咲きだすのに

朝の9時をすぎないと花をきれいに開かない。

木の性質なのか、いささか朝寝坊である。

Dsc_03951株の下の方で

枝分かれしたものにも

花が咲くようになったが

同じ株なので

やはり開花は遅い。

開花が遅いからなのか

花を閉じるのも

他のハイビスカスよりは遅く

うす暗くなるまで

咲いている。

少し標準から外れている気がするが

白い花のハイビスカスは

欲しかったものだけに

この頃は毎朝ご機嫌である。

今朝は2輪が咲いていた。

その他の我が家のハイビスカスも花盛りである。

Dsc_03971


Dsc_04001


Dsc_04201


Dsc_03901


Dsc_04061

   今はこんな種類のハイビスカス達が、毎日、毎日、次から次へと咲き

   眼を楽しませてくれている。






 撮影は2017年9月1日 我が家のバルコニーやベランダで。







2017年8月19日 (土)

ナリヤラン

Dsc_03621今年の開花は

例年より遅い。

野外の花もその傾向がある。

いつもの年だと

今頃の季節は

もっと花の数が多いのだが

今年はまだ

ぽつぽつとしか咲いていない。

南西諸島でも

石垣島と西表島だけに自生する。

カトレアを思わせる美しいランだが

自生地でも

今は個体数が減っている。

保護に取り組んでいる人もいるのだが、ナリヤランが自生するような

陽当りの良い原野は、パイナップル畑などに利用されることが多く

かつての大群生地が、パイナップル畑に変貌した所は多い。

野生蘭としては極めて強く、冬季、一定の温度さえ保てれば、栽培下でも

かなり増える。






撮影は2017年8月19日 今朝の我が家の鉢植えだが、まだ花の数は少ない。

2017年8月 6日 (日)

スズムシバナ

Dsc_00181スズムシバナの白花が

咲きはじめた。

普通は紫色なのだが

これはその白花である。

我が家には普通の紫花もあるが

そちらはまだ咲く気配がない。

毎年、白花の方が

先に咲きだしてくる。

数日前から咲きだしたのだが

この花も

1日花である。

朝咲いた花は

夕方になると茶色く萎れる。

この白花は随分昔に、高知の知り合いから貰ったものである。

白花は、花が咲かなくても葉の色や茎の色を見るとわかる。

全体に赤みがなく、青軸なのである。

葉の緑も紫花の株と比べると、全体が黄緑色になる傾向がある。

Dsc_00271まだ咲きはじめたばかりなので

花の数は少ない。

今朝は2輪が咲いていた。

明日咲く花が

すでに白い蕾となってふくらんでいる。

右の葉の上部に

そのつぼみが見えている。

スズムシバナは

これから1ヶ月近くも

咲き続ける。

栄養繁殖によって

株はかなり増えるが

春先に新しい腐葉土で植え替えないと

株も貧弱になり、花つきも悪くなる。

今年の春先は忙しくて、植え替えをする時間がなかったので

大きな鉢も、画像の小さな鉢でも植え替えができなかった。

だから成績も今ひとつ良くないが、それでも毎日、毎日、次々に咲いてくる。

種子をしみじみと見たことはないのだが、あちこちの鉢から

あきらかに種子由来と思える株が伸びて来て、思わぬ場所で咲くこともある。

来春こそは植え替えを実行しよう。







撮影は2017年8月6日 我が家のベランダで咲いたスズムシバナの白花




2017年8月 4日 (金)

オオキツネノカミソリ

Dsc_00111季節が巡れば

こちらが忘れていても

花たちは間違いなく咲きだす。

ムジナノカミソリと呼ばれる花と

オオキツネノカミソリとの違いが知りたくて

各地のものを調べ

栽培もしてみて

その違いを究明したかったのだが

最終的な手段の

DNAの解析によっても

その違いを証明することはできなかった。

画像のキツネノカミソリは

高知県の牧野富太郎の生家がある地域の

オオキツネノカミソリである。

今頃の季節になると、間違いなく咲きだす。

花被片より雄蕊や雌蕊は明らかに長く(オシベやメシベが花びらより長く飛び出すということ)

典型的なオオキツネノカミソリの特徴を備えている。

Dsc_00121一方、こちらは

長崎県対馬産のオオキツネノカミソリ

ムジナノカミソリと呼ばれているもの。

自生地の対馬でも

8月になると咲きだすが

当地(愛知県)で栽培しても

8月になると咲きだす。

高知県産のオオキツネノカミソリは

7月中~下旬から咲きだす。

花被片の長さに対して

雄蕊や雌蕊の長さは

高知県産のものと比べると

長く飛び出すものの

パッと見てわかるほど特徴的ではない。

だがDNAを調べてみると、どちらも全く同じデータしか得られないのである。

長崎県対馬産のものは、いろんな場所で、葉の幅の広いものや

極端に葉の幅が細いものなど、数か所のものを調べたのだが

結果はいずれも同じだった。

これだと長崎県対馬産のものは、すべてオオキツネノカミソリということになる。

ただ、長崎県の長崎半島の先端、野母崎付近に自生するムジナノカミソリと

呼ばれているものは、花期が大幅に遅く、9月下旬から10月はじめになって

花を咲かせるものがある。

これも何ヵ所かのものを我が家で栽培しているが、花期は1ヶ月近くも遅く開花する。

だが、DNAの解析ではオオキツネノカミソリとの違いが出ないのである。

こうなると花期の違いやオシベやメシベの長さに違いはあるものの

現状では、いずれのものもオオキツネノカミソリということになる。

宮崎県の霧島産のものは、DNAにわずかな違いがあるものが認められ

今年は現地に、その調査に行きたいと思っているのだが

さてさて、行くことができるか、調べたいものは山ほどあり、撮影したいものも

色々と目白押しで、体がいくつか欲しいこの頃である。




最初の画像は高知県佐川町産で、この花は第二弾に咲いたもの。

2番目の画像は長崎県対馬産で、今やっと咲きだしてきたものである。

撮影は2017年8月4日 我が家の庭で


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